マルクス主義的社会理論研究会 7月活動報告
丸山由晴(社会学系・比較文明学M2)
活動日:7/4, 7/11, 7/18, 7/25
先月から引き付き、マルクス『資本論』第一巻に取り組み、第9章「剰余価値率と剰余価値量」から第12章「分業とマニュファクチュア」の第3節まで読みました。
主として、生産力の向上によって生じる「相対的剰余価値」とそのための生産力の向上についての記述をみてきました。
マルクスの議論をテキストに即して確認しながら、現代においてマルクスの理論をどのように扱うかも頻繫に議論がなされました。参加者の一人から次のような指摘がありました。マルクスは資本が利潤を得る方向として無駄(空費など)の削減を志向しているものの、現代においてはかえって資本主義は無駄とされるもの——例えばラグジュアリーな商品のように——をも含んで、価値増殖、経済事象としてその運動が成立しているのではないか、と。
無駄が有用性に裏返るという論理は報告者にとって興味深い点であり、もちろんすぐにそのすべてを評価できるものではありませんが、来月以降には、参加者の関心に応じた研究発表も本会で行えたらと考えております。